変動相場制
変動相場制とは外国通貨と自国通貨の交換比率を外国為替市場の日々変動するレートで決定する制度のことです。
対立する制度は固定相場制です。
過去日本円を含む各国通貨はそれぞれ個別に固定相場制を採ったり変動相場制を採ったりと、たびたび変更されてきました。
現在の先進各国の通貨は、ほぼ全て変動相場制がとられています。
人民元(中華人民共和国)は管理変動相場制とちょっと変則的ながら2005年から変動相場制移行しました。
現在だと、ほぼ外国為替でのみ問題となるわけですが、江戸時代には国内でも通貨に関し固定相場か変動相場かが問題となることがありました。
江戸時代の主要な通貨としては金貨(大判、小判、二分金、一分金、二朱金、一朱金)と銀貨(丁銀、一分銀、一朱銀)と銅貨(四文銭、一文銭)の間の交換比率が変動相場であった時期と固定相場で決められていた時期とがあります。
また、幕末には国際的な金と銀の交換レートがほぼ1:5程度だったのに対し日本の国内レート(固定相場)が1:3であったため外国商人が日本で大量に銀を金に交換し金が国外に流出し、大変な損失を被ったともいわれています。
もっとも、当時の日本の商人が金目当てに集まってきた外国商人と、それなりに有利な条件で交易をしていたとか、銀相場の良い時期に取り返しているという説もあり、一概に損をしたとも言えないらしいですが、江戸幕府破綻を早める原因になったことは間違いないです。
現代ではニューヨーク、ロンドン、香港などの外国為替市場で各国通貨が売り買いされ、その結果各通貨の為替レートが決まる仕組みです。
また、通貨安定のため固定相場を採る国でも、闇市場で外貨を手に入れる人が増えると固定相場は形骸化し、その維持は難しくなります。