消費者金融の問題点
消費者金融の問題点としてはグレーゾーン金利と違法な取立の二点がまず挙げられます。
一つは、グレーゾーン金利とは利息制限法に定められた金利の上限である実質年利「10万円未満なら20%」「10万円以上100万円未満18%」「100万円以上15%」と出資法に定められた金利の上限、実質年利29.2%との間が刑事罰を受けることがない違法金利のゾーンとして、現状の消費者金融のほとんどが貸出金利をこのグレーゾーン内に設定してるという問題。
もう一つは、貸金業規制法は、「暴力的な取立」「大声を出す」「3人以上で押しかける」「夜9時過ぎや朝8時前に訪問、電話、FAXする」「1日何度もやってくる」「張り紙する」「勤務先に来る」「他の業者から借りて返すようにし向ける」「弁護士・司法書士に依頼した顧客に対して直接取立する」「本人(死亡なら相続人)と保証人以外の者に取立をする」ことを禁じていますが平成18年4月消費者金融大手の一社がこれに違反するとして全店舗の営業停止を命ずる処分を受けています。
金利が高いこと、取立が厳しいことは消費者金融にとっては当然のことともいえるし、高利貸しのイメージを払拭したい消費者金融業界としては払拭しなければならいことでもあり、なんとも、悩ましい問題です。
消費者金融のイメージは近年テレビCMの成功や自動契約機登場以後、利用者のすそ野が広がり世間の拒否反応が大幅に緩和したことなど、大きく変わりました。
しかし、イメージが変わったからといって、ビジネススタイルを急に上品に変える、というのは、やはり難しいことではあります。
とはいっても、「我々は昔からこうしてやってきたし、客はわかって借りている」という主張は、利用者のすそ野を広げて一般化をはかり、そこから大きな利益も受けている以上、通すわけにもいきません。
従来、消費者金融の顧客のうち相当割合の人が破産、失業、離婚など人生の破綻を経験することになってきたわけですが、そのような状況が黙認されてきたのも、利用者の数が一部の不用意な人といえる程度に収まっていればこそで、現状の利用者数では、そういう言い訳を通すことは、どの方向から見ても不可能なわけです。
しかし、それだけ消費者金融の利用が広がった以上、消費者金融もよりいっそう変化する努力をせざるを得ないし、それは、消費者金融自身にとっても、決して悪いことではない。